なんか最近ちょっと流行りつつあるかも……? ということは知っていても,どんなタイトルがあって,どういうもので,どれくらいの人が遊んでいて,中では何が行われているのか,実際にプレイしてみないとさっぱり分からないのが,ブロックチェーンゲームです。
なのでこの連載では,毎月のブロックチェーンゲームのユーザー数や取引高ランキングの動向,そのとき話題になっているブロックチェーンタイトルの様々な分析データなどをdouble jump.tokyoが作成し,まとめて皆さんに紹介します。前回は「THE CHAIN HUNTERS」を深掘りしましたが,今回の分析ターゲットは「De:Lithe Last Memories」(PC / iOS / Android)です。
いやいや私はもうだいぶ詳しいから説明なんか要らないよという人は,詳細版のマンスリーレポートだけでもぜひご覧ください。いま現在のブロックチェーンゲームの流れを知るためには,大いに参考になるはずです。
本記事は紹介を目的としたものであり,これらのブロックチェーンゲームのプレイや,NFTの購入を推奨するものではありません。投資行為にはリスクが伴いますので,十分に調べたうえ各自で判断してください。
順位
タイトル
ジャンル
MAU
先月比
1
Catizen
シミュレーション
162万
+162%
2
Pixels
シミュレーション
123万
-16%
3
BoomLand
カジュアル
122万
-45%
4
Moto DEX
レース
106万
-28%
5
SERAPH
アクションRPG
93万
-26%
※DappRadarから引用(2024年9月24日時点)。なおユーザー数は,各タイトルに関連したブロックチェーンネットワーク上でのユーザーアクティビティをもとにカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。
1位にランクインした「Catizen」は猫をマージしてレベルアップしていくインフレ系猫カフェ経営シミュレーションゲームです。
Telegramミニゲームでリリースされており,暗号資産のエアドロップへの期待から多くのユーザーを集めました(エアドロップは既に終了しています)。
順位
タイトル
ジャンル
取引高
先月比
1
NIGHT CROWS
MMORPG
2760万ドル(約41億2978万円)
-2%
2
Axie Infinity
TCG
1986万ドル(約29億7165万円)
-18%
3
Overtime Markets
スポーツ
1417万ドル(約21億2015万円)
+66%
4
Moto DEX
レース
1097万ドル(約16億4144万円)
+29%
5
Treasure Ship Game
シミュレーション
1051万ドル(約15億7261万円)
-89%
※DappRadarから引用(2024年9月24日時点)。取引高ランキングは,各ゲームのNFTや暗号資産に関連したブロックチェーンネットワーク上のアクティビティを元にカウントされています。ブロックチェーンに関係のないアプリ内でのアクティビティなどはカウントされていないので,ご了承ください。
過去にレポートで紹介もしている「NIGHT CROWS」(PC / Android / iOS)は,装備品やレベルなどのキャラクター情報をまとめてNFT化して取引できるMMORPGです。素材をトークン化して取引所で売却したり,逆に素材化するためのトークンを買ってきてゲーム内で使うこともできます。
9月30日には挑戦型ソロダンジョン「試練の塔」という新コンテンツが追加され,MMOらしく息の長いゲームになりそうです。
「De:Lithe Last Memories」の分析
・ゲーム概要
今回は,IPタイトルに強みのあるenishがGeekOutと共に手がける「De:Lithe Last Memories」(ラスメモ)について紹介します。
ラスメモは,キャラクター(ドール)を育成し,ダンジョンを攻略していくアクションRPGです。
ローグライクにドールを育成する「ビルドモード」と,ビルドモードで育成したドール(マスタードール)で攻略していく「マスターモード」があり,これらを繰り返してより難度の高いダンジョンやクエストに挑んでいきます。
メインコンテンツであるビルドモードとマスターモードは,最大4体のドールでチームを組み,敵を倒しながらレベルアップ時にランダムなスキルを獲得・強化していくアクションゲームです。
ブロックチェーンゲームの要素としては,ドールや装備の一部がNFTとなっており,NFTドールやNFT装備を使用することで,トークンである「GEEK」に変換可能な「xGEEK」を獲得することができることが挙げられます。
ゲームのプレイにNFTは必須ではなく,ドロップ確率は低いものの,NFTの入った宝箱(刻印BOX)を獲得するチャンスはどのプレイヤーにもあります(xGEEKの入ったGEEK BOXドロップはNFT必須)。
・マーケットプレイス
ラスメモでは,NFTドール,NFT装備,赤枠装備が取引可能となっています。アセットの購入はxGEEKで行い,NFTが売れた時はxGEEKで受け取り,赤枠装備が売れた時はロギコ(ゲーム内コイン)での受け取りとなります。
・ゲーム内通貨とトークン
ラスメモで使用されるゲーム内通貨と暗号資産の関係を整理すると,下に掲載した表のようになります。xGEEKが3種類あって少し分かりにくいかもしれませんが,以下の2点だけ理解しておけばよいでしょう。
・割引価格で購入したxGEEK liteはマーケットプレイスで使用不可
ラスメモではエコシステムを維持するために,xGEEKからGEEKへの交換に,プレイヤー全体と個人のそれぞれに制限がかけられています。プレイヤー全体では前日の課金額に応じて設定されており,個人では,ゲームプレイによって制限が解放されていくという仕組みになっています。
・まとめ
今月のレポートでは,「De:Lithe Last Memories」(ラスメモ)について紹介しました。
ラスメモはローグライクアクションRPGで,お気に入りのNFTドールを育成したり,ゲームプレイの過程でxGEEKを獲得できたりします。xGEEKからGEEKへの変換は制限が伴うため,大きく稼げるようなブロックチェーンゲームではありませんが,その分エコシステムが崩壊しづらく,ドールや装備の取引を楽しみながらゲームをプレイすることができます。
GEEKへの交換は9月28日に始まったばかりなので,今後の盛り上がりや価格の推移などに注目したいと思います。