可愛い人の子!楽園のタイプライターがメインストーリーに登場する強敵「覚」のデザインコンセプトについて紹介しているみたいよ。

「覚」は松雀と同じ姿をしていますが、敵意の象徴として赤い瞳を持っています。「覚」が借りた松雀の外見を構想するにあたって、コンセプトアーティストは「風水師」と「道教」の二つのコンセプトに基づいてアイデアを練りました。そのため、道士の衣装に近いデザインとなっており、祥雲の模様などの要素も見られます。アクセサリーに関しては、銅銭や赤い紐といった要素を取り入れ、キャラのイメージをより鮮明にしました。全体的な配色に関しては、一貫して戦闘に深くかかわっている裏テーマ――「影」にふさわしい色として、ダークグリーンを選びました。

一貫して戦闘にかかわってくる「影」

「影」というコンセプトは、一貫して戦闘に存在しているキーワードです。デザインの初期段階から、コンセプトアーティストとモンスターデザイナーは、このコンセプトに基づいてアイデアを出し合い、オリエンタルな雰囲気の影絵芝居と水面への投影を思い付きました。

そのため、実際の戦闘でも大量の屏風が出現します。「覚」は屏風の後ろに隠れ、機を窺います。第二段階の戦闘でも、「覚」は瞬華諸相の陣を発動します。「罠」から脱出するために、艦長は陣法の要となるトリックスタッフを破壊する必要があるのです。

戦闘中、「覚」は自身の権能を駆使することで、戦況を一転させることができます。この時の「覚」は分身を作り、本体と水面に映る影が、フィールド上にいるキャラクターに攻撃を仕掛けてきます。艦長は「覚」の本体からの攻撃を避けながら、水面の影による攻撃にも用心する必要があります。

影自体に実体はなく、変化し続けるため、「覚」の技では、影は彼女自身の分身だけでなく、任意の姿で現れることができます。例えば、トリックスタッフから生まれる影は、魚の姿をしています。「覚」のローブもまた、影でできているため、戦闘ではローブを恐ろしい「爪」に変化させて、相手に奇襲を仕掛けます。

そしてそのため、ローブを脱いだ後は、より「涼しげ」な衣装で戦いに身を投じざるをえません。

謎多き「トリックスタッフ」

今回「覚」が使用する武器である「トリックスタッフ」は、数多くの可能性に満ちていますが、設計段階では更に高い拡張性を持っていました。例えば、折り畳めば槍として、広げれば枓栱の形をしたハンマーとして相手を攻撃でき、また、リボンを解いた後は、魂を操る旗として使用できます。

デザイナーが「覚」のスキルを構想する際、基本的には武器をアイデアの中心に据えました。実際の戦闘においても、「覚」の技はバリエーションに富んでおり、打ち落とし、突き刺し、飛び道具などが全て「覚」の攻撃として実装されました。多彩な技を操る「覚」は俊敏な身のこなしのほか、一撃の重さを兼ね備えています。近接戦闘の技に加え、「覚」はトリックスタッフを使って、影の法術を放つこともできます。中でも最も象徴的な技が、キャラクターの影を本体から切り離す捕影攻撃です。

なぜ「影の束縛」が攻撃技としてデザインされたのか。そしてなぜ艦長のキー入力がロックされ妨害を受けるようになったのか。デザイナーは以下のように答えています。

三人小隊のチーム戦となる第一段階に比べ、第二段階は「アカリ」の個人戦なので、全体的に戦闘のテンポが緩くなります。そこで「覚」の動きや技をじっくり見る機会が増えるため、艦長が一連の攻撃に細心の注意を払わざるをえないように、バトルの緊張感を高める工夫をすることにしました。

また、「影の束縛」は戦闘全体のテンポを乱すため、艦長にとっては新しい刺激になります。もちろん、「影の束縛」には艦長にとってのメリットも用意しました。例えば、捕影攻撃の回避に成功すると、松雀からの援護を受けることができます。

「覚」の動きをより見やすく、対処しやすくし、この一戦の緊張感を高めるために、いくつかの調整も行なっています。例えば、戦闘中の「覚」の攻撃テンポは比較的緩やかで変化に乏しい分、ダメージは高くなっているのです。

開発にまつわるエピソード

身を明かりに変え、暗影を照らす

開発段階においては、以下のようなバトルシーンの構想もありました。

バトルが第二段階に入ったとき、トリックスタッフを使って法陣を展開することで、「覚」は自身の巨大な影を屏風に投影し、その後フィールド上のキャラクターに巨大化状態中の技を仕掛けます。

この攻撃に対抗するには、「アカリ」を「覚」の前に立たせることで、「アカリ」の髪の発光特性を利用し、「覚」の影を極小にする必要があります。

何故このアイデアが不採用になったのでしょうか?

デザイナーにこの質問をすると、デザイン自体がユーモラス過ぎて、バトルの雰囲気とかみ合わないから、と笑って答えてくれました。

松雀の本体は一体……?

松雀と「覚」はどのように区別しているのでしょうか。そして、敵意に満ちた血のように赤い瞳以外に、松雀の姿を借りた「覚」にはどのような違いがあるのでしょうか。目ざとい艦長は、デザイナーが「覚」のデザインからサングラスをオミットしていることにお気づきでしょう。もしかするとデザイナーの脳内では、サングラスこそが松雀の本体なのかもしれません。

少々残念な影の障子

「行障」というのは古代の移動式屏風のことで、「銀漢白玉堂に斜め臨み、芙蓉の行障灯火を掩う」というように、有名な七言律詩にも登場しています。デザインの段階では、こういった伝統的な屏風から着想した移動式バトルの構想がありました。

没案で、「覚」は行障に投影を行うことで、移動中でもフィールドにいるキャラクターに攻撃を仕掛けることができました。しかし結局、コンセプトアーティストもデザイナーもこのアイデアを諦めました。主な理由は、「覚」の移動中に行障にリアルタイムで投影すると、視点がバラつくため、バトル全体のテンポに悪い影響を与えてしまうためです。

「覚」に纏わる話は楽しかった?まだ「覚」と手合わせしてない艦長も、メインストーリー「予告された犯罪の記憶」で、戦いに挑んでみてね!艦長の活躍に期待してるよ!

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